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door.SSとか絵とか日常とか。 大半は妄想。PAGE | 422 421 420 419 417 416 415 | ADMIN | WRITE 2014.02.17 Mon 02:37:28 リハビリ鳥さんは餌を嫌がらせレベルで巻き散らかします→キーボードの中に入ります→壊れます 続きからは実写3ちょい前くらいのSS メガ←スタ←SW 外から鳥の声がする、それは地球と言う星の朝がやってきたのを知らせた。 スタースクリームの真上では鎖が千切れかけ傾いたシャンデリアが揺れることもなく宙を浮く。 崩れた壁の隙間から鉄骨が突き出している、その横では本来朝日に照らされ輝くはずのステンドグラスが 粉々になって床へと散らばっていた。 ここは廃墟だ、人間に捨てられたゴーストタウンの朽ちた教会。 こんなところに人間はこない。 一方通行 スタースクリームは久しぶりの休息をとっていた。 大人数が腰掛けれるだろう机の上に横になり、天井を見上げたままアイセンサーの機能をオフにする。 床に散らばる壁や椅子の破片など、トランスフォーマーのスタースクリームには気にならないが 机を寝台代わりにするのは個人的に床に横になるのが好みではないから。 浅い眠りに漂いながら、薄く開いた口より吐息を漏らす。 自分はこんなにも寝付きが悪かっただろか?と自問するが記憶を探る限りそんなことはない。 疲れたら眠り、疲れが取れれば起きる。そんな簡単なことも出来ないほど自分はできそこないじゃない。 負傷してるメガトロンにかわって自分がどんな仕事もしているのだ。サウンドウェーブも人間の監視でスタースクリームの 手助けはしない。メガトロンの命令を全て聞き、走り回るのは自分だ。だから非常に疲れている。 こんなにも身体は疲れているのに身体が休止状態に入らないのは何故だ?と考える。 天井から鎖で吊るされたシャンデリアが気になるのか?今は沈黙しているが千切れかけの鎖が悲鳴をあげれば それはスタースクリームの顔面に向かって落ちてくるだろう。 「…」 最初こそ気にしていなかったが気になり始めるとますますスタースクリームのブレインは起動する。 仕方ない、あのシャンデリアをどかそう。そうすればもう少し落ち着いてスリープモードへ移行できるだろう。 身体を起こそうとしたスタースクリームは「うっ」と声を出した。 「…」 薄らとアイセンサーを起動させ、瞳が傷つかない様にと設計されている瞼を上げた。 起き上がろうとした身体の上に何かが乗ったのだ。シャンデリアが落ちてきたのかともおもったが その気配はなかった。だからスタースクリームはその正体を知るために腰の上にいる者を見る。 「…何をしている…」 「起きていたのか」 「…貴様ならわかっていただろう、サウンドウェーブ」 そう呼ばれた金属生命体はくつくつと笑った。 スタースクリームは目に見えて嫌そうな顔をして、大げさなため息を吐く。 「用があるのか?」 「口説きに来た」 スタースクリームは腰の上にいる男を眺めたまま硬直し、思い出したかのように2度咳をする。 「なに?」 「口説きに来たのだ」 スタースクリームは金属生命体にはできない表情をする。 人間のように嫌悪と呆れと哀れみの交じる表情をさっと表に出した。 それをみたサウンドウェーブがまたくくっと笑う。 「…性格が変わったな」 メルセデスをスキャンしたサウンドウェーブの表情は昔に比べて分かりやすい。 フェイスパーツにはマスクなどの表情を隠すものは何一つ装着されておらず、2つのアイセンサーが スタースクリームを正確に見下ろし、口元は微かに笑みを浮かべる。 「そうでもない」 「いや、人間どもと長く居すぎたな」 悪い影響受けやがってと首を横へ向ける。 視線の先にある扉を一瞥してから、ため息をはいた。 サウンドウェーブはスタースクリームの胸部に手を置いて、身動きしないNo.2の顔を覗き込む。 「重いぞ」 「後悔させない」 「…どこで覚えてきた?」 「ディランだ」 「…あぁ」 少しばかり考えたが、人間だ。サウンドウェーブと父の代から人間を裏切ってディセプティコンについた。 興味がうせたとばかりにスタースクリームはサウンドウェーブの胸を押し返して視線をそらす。 サウンドウェーブはそれをもろともせずスタースクリームの顔へ手を伸ばす。 「くだらないと思わないのか」 スタースクリームは抵抗らしい抵抗はせず、うっとうしいと手で軽く払う。 サウンドウェーブは「思わない」と続けるとスタースクリームの額に触れた。 思い切り振り払って自分の腰の上から突き落とし、両腕をミサイルに変形させて打ち込んでやってもいいのだが それをすると物音がでかすぎる。それが気がかりで抵抗らしい抵抗をしないのだ。 もちろん、お得意の触手を伸ばしてきたら全力で叩き潰すつもりだ。 「スタースクリーム」 「…」 「美しいな」 「…」 「俺ならお前を放っておかない」 「…く」 「触れたくて仕方がない」 「くく…」 スタースクリームは自分の口元が緩んで仕方がないのを感じて片手で抑える。 堪えようとすると両肩が少し震えた。耐えようにも喉がくるくると音を立てて仕方がない。 「やめろ、笑い殺すつもりか?」 「あぁ」 「それは人間が?」 「ディランが女に言う台詞だ」 そうか、とスタースクリームは笑いを堪えながら返答すると、ひとつ息を吐いて再び普段通りの顔を作る。 サウンドウェーブがそれを見て軽く首をかしげた。 「サウンドウェーブ、降りろ」 「…」 「上官命令だ、聞こえないのか」 「お前にメルセデスをあげよう」 「…」 「お前の足となり、どこへでも連れて行ける」 「…くく…その口説き文句は駄目だな」 「…」 「私を誰だと思ってる?F-22、ラプター」 どこへでも飛んでいける、とみなまで言わずにサウンドウェーブを嘲り笑う。 スタースクリームは再び奥の扉を見た。完全に閉まっている。 それだけ確認すると再びサウンドウェーブを見て「退け」と告げた。 「もう良いだろう」 「…」 「貴様の仕事はどうした?」 「レーザービークの暗殺報告を待っている」 「退屈なのだな?偉くなったものだ、人間の元へでも行って仲良くしてきたらいい」 阿呆に付き合っていたら眠くなってきた。 スタースクリームはようやく訪れる眠気を歓迎してアイセンサーの光を少し弱くした。 完全に視界を暗くするのは流石に目の前の存在が退室してからだ。 過去に色々あったサウンドウェーブとスタースクリームだ。そこまで信頼しているわけじゃない。 「スタースクリーム」 「失せろ」 「愛している」 唇に何かが触れる。スタースクリームは視界を一気に広げた。 自分を見下ろすサウンドウェーブはデストロンらしく口元に笑みをつくっている。 一瞬ぽかんとした表情を晒したスタースクリームは、ぐっと喉を鳴らして口を軽く押さえた。 「スタースクリーム」 「く、くくく…」 「…」 「くくっ…ふっ…」 次はサウンドウェーブが呆けた面をスタースクリームに見せる番だった。 肩を震わせて何度も口からこぼれる笑いを手で押さえるスタースクリームなど見た事がない。 この時サウンドウェーブだけが気づいたが、睡眠がなかなか取れない多忙なスタースクリームはハイになっている。 「スタース」 「サウンドウェーブ…!あまり可笑しなことを言うな!」 「…」 「笑いすぎてスパークが痛い」 サウンドウェーブが呆れたようにスタースクリームを見下ろして、そして奥の扉を見る。 スタースクリームもそれにつられて奥の扉を見た。 それと同時にスタースクリームの笑いが止まる。 「…メ、メガトロン様」 「…」 「お、起きておいでで?」 「貴様がうるさくてな」 スタースクリームは腰の上にサウンドウェーブを手で押して床に落とすと自分は勢いよく起き上がった。 その振動で頭上のシャンデリアが落ちてくるが頭部にぶつかるもすぐに払い落とす。 「も、申し訳ございません…これには訳が!」 「黙れ、黙らぬかスタースクリーム」 「…あの…閣下?」 「なんだ」 「…何故そんな」 怒ってらっしゃるので? その言葉を出せるほど、スタースクリームは勇敢ではない。 以前大敗を喫した破壊大帝は全身の損傷が理由か、叱咤はしても暴行に移る回数は激減した。 それはスタースクリームにとって朗報ではあるのだが、メガトロンにとって異常なまでに不愉快な事が起きれば 当然のようにその拳は飛んでくる。時には背中のショットガン型カノンで打ち抜かれることもある。 今はその雰囲気だ。 「来い」 スタースクリームはその言葉に金属の表面が振るわせた。 名前の通り鳥を思わせるフォルムをもつラプターは、金属生命体でありながら器用にも鳥肌を体験しているのだ。 スパークを両手できゅっと掴まれるような息苦しさにスタースクリームは少しだけ息を荒くする。 「そ、え?なぜ」 「来い」 「おま、お待ちください閣下…」 「…次はない、スタースクリーム」 「…」 「こちらへ、来い」 スタースクリームは喉の奥できゅーっと鳴いた。小さな音は誰にも拾われず、自分の中で反響する。 足元から聞こえてきた笑い声にスタースクリームはそちらを睨んだ。 「サウンドウェーブ」 「…くく」 「これが狙いか」 「…」 サウンドウェーブは何も言わない。 スタースクリームは忌々しい物を見るようにサウンドウェーブを見ると、次はないと告げた大帝へ近付いていく。 破壊大帝はスタースクリームが歩き始めるのを見て、背中で余裕をもたせるマントを掴んで頭部を隠すようにかぶった。 そのまま踵を返して先ほどまで居た部屋に入っていく、スタースクリームについてこいと伝えるには簡単すぎた。 諦めがついたのか、ディセプティコンのNo.2はとぼとぼとメガトロンの後に続き、重い音を立てて扉がしめられる。 「…」 一人残されたサウンドウェーブは立ち上がるとここに来る前にいた人間の屋敷へと戻ることにした。 そのブレインの中ではディセプティコンにとって最も憎い人間の声が再生されている。 『君が笑い返すのが嫌なんだ!』 サム・ウィトウィッキー。カーリーがディランに笑顔を返すのが嫌だと怒りをあらわにしていた人間の子供。 スタースクリームの腰にまたがり顔を触れながら睦言を囁く自分に、彼が笑い返す姿を見てメガトロンはどう思ったのだろうか すでに答えを知っているサウンドウェーブは閉められた扉を一瞥してから廃墟を後にする。 あの扉の奥ではサム・ウィトウィッキーとカーリーのように上手に喧嘩して上手に仲直りとはいっていないだろう。 サウンドウェーブは喉の奥で笑い、自分の仕事へと戻った。 -------------------------------------- サム「先に愛してるって言うと逃げられるよ、ソース俺」 SW「mjsk」 ディランと仲の良いメルセデスサウンドウェーブはよく笑うよなと思った話。 PR CommentsComment Form |